近況
中塚宏行
1992年に、北海道から大阪に戻って30年、ようやくこの2月に大阪中之島美術館が開館しますが、この30年間の大阪の近・現代美術館の出遅れ感は否めません。国立国際美術館があるものの、大阪で開催すべき展覧会が滋賀や兵庫をはじめ他県に流れたり、あるいは開催できなかった例をこれまで何度も見ています。それでも少しでも大阪の美術に貢献できればと思い模索してきました。その一つとして、大阪でこの16年間に私が関わった美術関連事業、執筆活動などを『美術/漂流Ⅴ 学芸員Nの軌跡』として1冊にまとめ、知人、関係者に送付しました。内容は、前田藤四郎、浅野竹二、安井仲治、伊藤継郎、田中幸太郎、吉田利次、田中健三、岩宮武二、湯田寛、津田洋甫、上前智祐、浮田要三、嶋本昭三、喜谷繁暉、今井祝雄、高橋秀、森口宏一、井原康雄、三島喜美代、大阪の現代版画史、木村秀樹、福本繁樹、福本潮子、遠藤利克、秋山陽、土屋公雄、堀野利久、銅金裕司、中西學、松井紫朗、古橋悌二、國府理、片山高志、Yukawa-Nakayasu、冬木遼太郎、ニッポンの表象、アールブ・リュットと障がい者アート、吉原治良賞、京阪神のアートフェアー、美術館と市場、批評と市場、大阪のアートシーン、大阪府の美術コレクション、大阪府立現代美術センターと大阪府の美術政策の歴史などです。AICA事務局に1冊送付しました。ご高覧いただければ幸いです。希望者はAICA事務局にご連絡、もしくは私宛てに直接メールください。(nakatsuka@grace.ocn.ne.jp)
また、きょうと視覚文化財団(原田平作理事長)主催で地域に眼を向けた現代美術展「美術と風土―アーティストが触れた伊那谷」(飯田、辰野、碧南、京都、豊中の各市町5会場で2023年開催予定)の実行委員として活動中です。
さらに豊中市主催の来年度の企画展で、独立展で活動した豊中ゆかりの画家、小出三郎を調査。美術フォーラムに黒宮菜菜についてのテキストを執筆。11月27日∼1月10日須田剋太×白髪一雄展(尼崎市総合文化センター)に協力。