会員の市田幸治氏が、2018年6月25日にご逝去されました。
本来は会報19号公開時に掲載すべき情報でしたが、確認が遅れましたことをここにお詫びするとともに、追記いたします。
市田氏は1936年生まれ、日本大学芸術学部映画学科を卒業後、留学生およびパリ西武百貨店のアンティーク・バイヤーとしてのパリ滞在を経て、帰国後西武百貨店美術部に勤務されました。73年には「一枚の繪」駐在副社長としてアメリカ美術と骨董研究のためニューヨークへ赴任、評論の執筆と併行して骨董店も営むなど、幅広くご活躍でした。
雑誌『陶説』における連載「アメリカ絵画史」をはじめとして、アジアのアンティークから現代アメリカ美術までの広域を語るユニークな視野からは、『ニューヨーク絵画発展史』(土曜美術社、1990年)、『アメリカン・アンティーク : 様式と変遷』(里文出版、2003年)など、数多くの著作も生み出されました。ニューヨーク在住ということもあり、当連盟日本支部の会合などに直接ご参加いただく機会はごく限られておりましたが、連盟事務局にはエアメールにて頻繁にお便りを頂戴しておりました。貴重な海外在住会員のお一人の喪失は痛惜の念に堪えません。
ここに謹んでお悔やみを申し上げますとともに、故人の安らかなるご永眠を心よりお祈り申し上げます。
2018年12月 編集委員長 成相肇